外部収入と税金について

外部収入が「収益事業」に該当すると納税が必要となります

法人税法において、人格のない社団等は、法人とみなされ(法人税法第3条)、他の内国法人と同じく法人税を納める義務を負うと定められています。ただし、人格のない社団等のすべてに納税義務が生じる訳ではなく、人格のない社団等が収益事業を営む場合に限って納税義務を負うとされています(法人税法第4条)。なお、各事業年度の所得のうち、収益事業から生じた所得に対してのみ法人税が課税されます(法人税法第7条)。 また、地方税についても、地方税法において上記と同趣旨の条文が存在し、同様の条件下において課税されることになっています(地方税法第12条,第72条の2第1項第4号,第72条の5)。

税務署

ここで、マンション管理組合は、人格のない社団等に該当し、収益事業を営んでいる場合に納税義務を負うこととなります。そのため、マンション管理組合が外部収入を導入する場合には、収益事業を営んでいることになるかどうかを確認することになります。

収益事業とは、「販売業、製造業その他政令で定める事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいう」とされ(法人税法2条13項)、また、「販売業、製造業その他政令で定める事業」に性質上付随して行われる行為もその範囲に含まれるとされています(法人税法施行令第5条1項)。

そして、収益事業の形式的要件には、以下のものがあります。
(1)法人税法施行令第5条1項の34業種のいずれかに該当
(2)継続して行われるもの
(3)事業場を設けて行われるもの
上記をすべて満たす場合に収益事業に該当し、法人税等の申告が必要となります。
因みに、「法人税法施行令第5条1項の34業種」とは、以下を指します。
物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保険業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権提供業、労働者派遣業。

税務申告書

なお、こうした収益事業の範囲の規定は限定列挙であるため、法令上に記載されているもの以外については収益事業の範囲に含まれません(例えば、書道教室は「技芸教授業」に該当しますが、パソコン教室、スポーツ教室などは施行令に記載がないため該当しません)。

また、「継続して行われるもの」とは、各事業年度の全期間を通じて継続して事業活動を行うもののほか、通常相当期間にわたって継続して行われるもの又は定期的に、若しくは不定期に反復して行われるものが含まれるとされています(法人税基本通達15-1-5)。

最後に、「事業場を設けて行われるもの」とは、常時店舗、事務所等事業活動の拠点となる一定の場所を設けてその事業を行うもののほか、必要に応じて随時その事業活動を行うものが含まれます。したがって、移動販売、移動演劇興行等のようにその事業活動を行う場所が転々と移動するものであっても、「事業場を設けて行うもの」に該当するとされています(法人税基本通達15-1-4)。

少し長くなりましたが、話をまとめてみると、
マンション管理組合が、管理組合員から徴収する管理費や修繕積立金など(内部収入)の他に、外部収入を導入した場合には、その外部収入が法人税法上の収益事業に該当する場合には、法人税等の申告と納税が必要になるということです。

なお、消費税等については、1事業年度の収益事業による収入が1000万円を超えなければ納税義務はありませんので、ほとんどのマンション管理組合では心配無用です(消費税のことを心配されるマンション管理組合はとても恵まれていると言えます)。

また、マンション管理組合が駐車場の外部貸し(駐車場業)や駐車場サブリース(不動産貸付業)などで、敷地の一定面積を外部収益事業として利用する場合には少しだけ注意が必要です。
分譲マンションのように住宅用地として敷地を利用している場合には、税負担を軽減する目的で、固定資産税を計算する際の評価額が特例措置によって下げられています(空地や業務用の敷地に比べて6分の1の評価になっています)。そのため、収益事業を行うことで住宅用地としての利用目的が変わると、この部分に限って特例措置の対象から外れてしまいます。そして、特例措置の対象から外れた場合には、マンション管理組合ではなく、区分所有者の固定資産税が増額される可能性があるのです。但し、駐車場が機械式駐車場の場合には、ほとんどのケースで固定資産税の増額には該当しませんので、心配しないでください。また、その他の場合でも、管理組合の収入UPと比較すれば、固定資産税の増額は軽微なことが多いため、外部収入の導入時に固定資産税の増額が障害になることはあまりないようです。

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税金を納めても、組合資金がプラスになればいい

外部収入を導入する目的は、マンション管理組合の資金不足を補うこと。だから、外部収入が法人税法上の収益事業に該当したとしても、納税後の組合資金がプラスになっていれば問題ありません。
マンション管理組合の収益事業にかかる税務申告では、1事業年度あたり、法人住民税の均等割りという税金が7万円ほど固定的にかかります。加えて、共同体であるマンション管理組合の税務申告は、通常、マンション管理組合税務に強い税理士法人に税務申告業務を依頼します。この申告報酬が7-8万円ですので、支出を合わせると15万円ほどになります。
ですので、外部収入が年間15万を超えるのであれば、マンション管理組合が損をすることはありません。
また、既に収益事業があり税務申告をしているマンション管理組合であれば、固定的に生じる法人住民税の均等割りと税務申告報酬の追加はないので、極端に言えば仮に、新しい外部収入が1万円だとしても、今すぐに外部収入の導入を検討することが得策と言えます。

※マンション管理組合の税務に強い税理士事務所はほとんどありません。但し、当サイト・サービスをご利用くださったマンション管理組合様に対しては、マンション管理組合の収益事業の税務申告専門であるビヨンド税理士法人(マンション管理組合サポート部)の協力のもと、特別価格で税務申告業務を引き受けてもらえますので、ご安心ください。

税務申告マニュアル